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恋愛、ファンタジー、SF、ミステリー、ホラー…様々なジャンルの小説を読んだ。
そんなに探しても見つからないのだ…【私だけの物語】は。
望まなければいいのに…望んでしまう。
自分だけの…私だけの物語を。
もし、私に物語があれば…あの人は少しでも私を愛してくれたかな?
図書室に入ると本独特の匂いが鼻をくすぐる。
「…やっぱり落ち着く。」
扉を閉め、いつものように本を物色する。
自分に関係のありそうなもの、自分に合っていそうなものを探す。
「…今日はいいのがないな。」
いつもだったらすぐに決まるのに、今日はピンと来るものがない。
まあ、いつもないのだけれど。
「どうしよっかなぁ。」
呟いた瞬間、近くで物が落ちる音がした。
そちらを見てみるとそこには黒い表紙の本があたかも自分を主張するように図書室の床に落ちていた。
「何?この本…」
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