桜色の想い

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初めて見た先輩の姿は、あたしを引き付けて離さなかった。 心臓は高鳴り、あちこちで先輩を見る度に、そわそわする日々ι 隠そうとしても隠せない思いは、もちろん千綾と菜摘にもばれててι 二人に何度も剣道部に連れて行かれた時、 「剣道好きなの?いつでも見においでよ。」 先輩に言われたあたしは舞い上がりながら、 「は…はいっ!!」 としか言えなかったっけι 「はぁ…先輩って何であんなにカッコイイんだろ?」 ぼんやりしながらウインナーを頬張るあたしに、千綾と菜摘の視線が突き刺さる。 「まぁだ告ってなかったの?…いい加減告ってくれば?…毎日毎日…先輩先輩先輩じゃ聞き飽きたわよっ!!!」 「まあまあ千綾ちゃんι飛鳥ちゃんも悪気はないんだからι…飛鳥ちゃんは先輩に彼女が出来てから泣いて後悔するタイプなんだよ♪」 千綾を慌てて菜摘は押さえながら、とどめをしっかり刺してくる。 そりゃあ先輩に彼女…なんて考えただけで、涙が浮かんで来るけどι でもあたしなんかじゃ、先輩には釣り合わない気がして…勇気が出なくなる。
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