ワタシヲ、タタカイ二マキコムナ

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 さて、爺さんと2人大富豪に今回も勝ち、彼は悔しそうにしながらどこかへと消えていった。 そして世界は何事も無かったかのように、校長先生のスピーチの途中から始まった。  何故校長先生のスピーチは長くなるのだろうか? よく聞けば確かに良い事言っているのだが、あまりにも長く印象から抜け落ちてしまう。 今回の校長先生の話をまとめると、こんな感じ。 『新入生の皆様、入学おめでとう! これからは、我が高校の一員として自覚を持ち生活してくれ!』 長くダラダラ~と言われるよりも、これだけを言われた方がインパクトに残るような気がするのだが、やはり『式』なのでそういう訳にはいかないのだろうか?  そんな校長先生のスピーチは何故長いのか?とう結論をなんとなくだが、出していると突然起立の声がかかり、俺は慌てて立ち上がる。 何事も無く、高校に上がったからと言って変わることのない入学式が終わり、俺達は体育館から退場し教室へと戻る。 中学からの仲の良い友達が、同じクラスに居たので教室で寂しい状態にならなくて済みそうだ。 教室に足を踏み入れると、先に帰ってきていた男友達が駆け寄ってくる。 マンシンガントークでこいつが話した事をまとめると、内のクラスの女子レベル高いぜ! やったな! 「へ~そうなのか~」  俺はそんな気の無い返事をしながらも、一応回りの女子を確かめてみると…… 確かにレベルが高いのかもしれないな。 中学の頃よりも、美人と言われてもおかしくない奴が結構目に入る。  まぁ、ノットイケメンフェイスな俺には全く無関係な話だがな。 そんな事を思いながら、教室を見渡していると今朝見かけたポニーテール少女の姿。 これは見なかったことにしたい。 というより、何故入学式の時目に入らなかった? あれか?さっき話しかけてきた奴のマシンガントークを右から左へ受け流している内に、目に入ってくる情報も右から左に受け流していたのか? なんて迷惑なマシンガントーク。 入学式前に気がつけよな俺。 さて、一年間ばれないように過ごしますかと平穏な生活を…… そこまで思ったところで、頭の中に何とも安っぽいピロピロピロという音が鳴り響いた。
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