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あの摩訶不思議世界では、この爺さんの作り出した奴と戦っている訳だ。
RPGのように出会った敵を倒せば、経験値のような物が貰えてある一定値たまると、1つ上の強さになる。
と言っても、敵の強さが分かるのは俺だけの特権らしい。
ちなみに強くなると技を使えるようになる。
さっきの振れば火を出す剣みたいな技が使えるようになる。
「なんじゃ?スペードの3を希望したのは、自分ではないか」
「しかし、レベル固定とは聞いてないぞ?」
そう俺が最弱の理由はここにある。
話が脱線するが、あの摩訶不思議世界の製作者は間違いなくこの爺さんなんだが、そんな世界を作ろうと思わせた原因は俺なんだよ。
12歳の頃、俺は爺さんとたまたま小学生の時の修学旅行中に出会い。
たまたま持っていたトランプで、爺さんと大富豪をしたのが始まり。
その大富豪があまりにも面白かったのか、それとも俺に負けたのが悔しかったのかは知らないが、願いを1つ叶えてくれるっていうもんだからさ。
『爺さんと大富豪をまたしたい』って、その時の俺は爺さんに頼んだ訳だ。
いやこの時、実は俺迷子だったんだよ。
ほら、班別行動ってあるだろ?
それで1人はしゃいでたら、迷子になってこの爺さんと出会って、爺さんとの大富豪が楽しかったからそう言ったって訳。
そしたら爺さんは何を考えたのか、それからほぼ毎日のように大富豪をしに来るようになった。
一応寝てる時間とトイレの時間には、来ないがその他の時間には遠慮なく来る。
ちなみに1番時間を考えろよって思ったのは、高校入試の真っ最中。
爺さんは真剣な表情をしながら、その時こう言いやがった。
「今日こそは勝つ」
「いや、今入試の真っ最中」
俺はその日の爺さんに光よりも早く、そうツッコミを入れたのを覚えている。
まぁ、爺さんが遊びに来る時は絶対に時間が止まってるから全く問題はないんだが……
話を戻すが、最初に出会った時に大富豪のような、しかもゲーム感覚の世界があったらおもしろそうじゃ! とか思ったらしく、この爺さんは本当に作っちまったって訳だ。
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