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「何じゃ?あの世界でたった1人だけのスペードの3なんじゃぞ?
少しは胸を張れば良かろう?」
「おう!その辺の爺さんが作り出した奴には勝てないのに、どうやって胸を張れと?」
茶化してくる爺さんにそうツッコミを入れながら、笑みを浮かべる。
ウルトラスーパー大雑把に言えば、俺もこの摩訶不思議世界を考えた1人なのでかなり、他の奴らより優遇されてる。
ほら、強さが分かるとかね。
「『摩訶不思議世界のボスを倒せば可能な範囲内の願いを1つ叶えてやる』この願いを考えたのもお前さんじゃろ?
我と2人で作り上げた世界。
結構な人数が参加するようになったの」
「ああ、1度でも摩訶不思議世界で死ねば摩訶不思議世界の記憶が消去。
そして、それに関する文章なども消去。
ただの日常に戻っちまうだけのデスペナルティーだしな。
というか、爺さんが増やしているだけだろ?」
「ふぉっふぉっふぉ、そう固いことを言うな。
そなたの近くに誰か、プレイヤーが居なければつまらないじゃろ?」
「おいおい、俺はおもちゃ感覚か?」
俺は苦笑いを浮かべながら、爺さんから手渡されるトランプを手で扇状に広げながら眺める。
2人大富豪手札の枚数は当然27枚。
そして今回も当然、ジョーカーが2枚こちらに。
「くそう、何故じゃ!何故またジョーカーが手元に無いんじゃ!」
「どんまいだな、この勝負も俺が貰ったかな?」
俺はそうニヤニヤとした笑みを作りながら爺さんに視線を向ける。
そんな感じで、俺と爺さんの勝負が切って落とされたんだが……
まぁ手札から、相手の手札が分かっちまうのに、なんでこんなに面白いんだろうな?
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