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雛
『ずっと言いたくて…でも、言えなくて…
ほら、アタシって素直じゃないじゃん!?だから、さ!』
『そこまで言うと、雛は目尻に潤いの雫を浮かべた。』
雛
『我慢してたのよぉ…アンタが、他の女と話している時…
で…今日の今、やっと千載一遇のチャンスが来たと思ったら…
うっ…ふえぇ…』
『雛は自分の想いを吐露し、ぼろぼろと涙を溢し始めた。』
静久
『雛…』
『知らなかった。
ずっと、小さい頃から、雛はこんな性格だった。
嫌われてるものだと思っていたから…』
静久
『言うのが遅すぎるよ、雛…』
雛
『うぅ、うるさいわねぇ…
アンタがいきなり言うのが…悪いくせに…』
『間違っちゃない。
そして、嬉しかった。』
静久
『雛…!』
雛
『え…っ!?』
『驚く雛を尻目に、強く抱き締めた。強く、強く。
本当に嬉しかった…
僕も…』
静久
『僕も…雛が好きだ…』
雛
『え…嘘…!?』
静久
『嘘なもんか…』
『やばい。泣きそう。
僕も、雛が好きだったんだ…』
静久
『ありがとう、雛…
君の気持ちを聞けて、本当に良かった…』
雛
『うぅっ…う…うえぇぇん…』
静久
『泣かないでよぉ…僕も泣きたくなるじゃない…』
雛
『だって…だってぇ…』
『泣き声を聞きたくない。
涙を誘われるから…
だから…』
雛
『ん、む…!?』
『雛の口を、僕の口で塞いでやった。
雛も受け入れてくれたのか、それからしばらくはこの時間が続いた…』
『─翌日。』
『雛は、快く僕を見送ってくれた。
もう涙は見せないで。』
雛
『ばいばい。』
静久
『うん、ばいばい。』
『僕と雛は指切りをし、互いに手を振りあった。
また会う事を約束して…』
--HAPPY END--
修斗「…あぁ、終わったか。」
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