★再会★

2/7
1563人が本棚に入れています
本棚に追加
/421ページ
-7年前- 「うっ…ふえぇん…」 夕焼けに映える茶色の髪をなびかせ、少女─香坂 来夢[コウサカ ライム]は涙をこぼしていた。 「泣かないでよぉ…僕も泣きたくなるじゃない…」 幼馴染みが泣いてる姿に、当時小学生だった俺─晴間 修斗[ハルマ シュウト]はもらい泣きをしてしまう。 この時…そうだ、来夢が引っ越すってんでお別れの挨拶をしてたんだ… 修斗「僕らはまた逢えるよ?同じ日本にいるんだもん。絶対逢えるよ!」 根拠も無いのに"絶対"と言ってしまう… 昔からの悪い癖だ。 来夢「ぐすっ…修斗ぉ…なら、約束してくれる?」 約束…か… 絶対と一緒で、苦手だな…この言葉。 修斗「うん!約束!そうだ、指切りしようよ!小指出して?」 来夢「う…うん…」 そして、おずおずと出す来夢の小指に、さっと自分の指を絡める。 思えば、これで初めて来夢の手に触れたんだったな… 修斗「ゆーびきーりげーんまーん♪」 来夢「うっそつーいたーら、はーりせーんぼーんのーます♪」 修斗・来夢「ゆーび切った!」 歌が終わると同時に離した指には、若干の寂しげが伝わった。 修斗「…じゃあね、来夢…」 来夢「うん…じゃあね、修斗…」 着ぐるみの挨拶みたいに手をグーパーして、絶対と言ったクセに永遠の別れを悟った。 引っ越し業者の運搬トラックは、俺と来夢の思い出を乗せて走り去っていった…
/421ページ

最初のコメントを投稿しよう!