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修斗「ったく…あれ?そーいえば静久(シズク)は?」
静久ってのは、俺の妹。11歳の小学6年生。
生徒会長らしいけど、ホントか知らない。
みなみ「静久さんなら、もう行っちゃいましたよ?何でも、近々ある修学旅行の事らしいですぅ。」
あぁ…来月、修学旅行だもんな。
修斗「ふぅん。んじゃ、俺もう行くから。」
素っ気ない返事の後、俺はいつの間にかあったトーストを手に持ち、玄関へ。
みなみ「あらぁ…?もう行ってしまうのですか?」
はいはい引き止めない引き止めない。
逆に時間無くなるから…
修斗「出来てない宿題をやりたいからな。早めに行くよ。」
え?やっとけよ?
いやいや、家じゃ何故か集中力が途切れるだろ?だからやらないんじゃない、出来ないんだよ。
みなみ「あらあら…じゃあ、いってらっしゃいませ…」
修斗「あぁ、いってきます~」
俺は扉を開け、家のフローリングとは裏腹に暖かい外へ出る。
ぶっちゃけ、トーストを手に持ちながら靴を履く俺ってすげぇ器用だと思う。
修斗「はぁ…」
周りの住宅街は、み~んな住居者がいる。
どれか1つ、空いてる家は無いかといつも思う。
修斗「(やっぱ、絶対なんて簡単に口にしちゃ駄目だよな…)」
今朝の夢がフラッシュバックされる。
その夢に出てきた自分に、今更ながら後悔の念を向けた。
修斗「…来夢か…」
俺はトーストを一口含み、学校へ向けて歩き出す。
来夢は今頃どうしてるだろうと、片時も忘れなかった幼馴染みに想いを馳せながら。
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