少女と少年

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‐レン‐ 「はぁ……」 雲一つない空を見上げ ため息をついた。 鳥はいいな……じゆうだから。 僕も、いつか自由になれるよね…… 自由になれたなら、したいことがいっぱいある。 バサッ 「……あ」 自分の腕に持っていた紙の束が、地面に落ちた。 急いでそれを拾い集めて、気付いた。 柵の向こう側にも、紙が落ちている。 どうしようか 手を伸ばせば届くかな…… 「よいしょ……っ」 柵の隙間に手を入れて、思いっきり手を伸ばした。 あと、少し……あれ? もう少しで届きそうだったけど、目的の紙が無くなっていた。 代わりに、細長い綺麗な足があった。 「はい、コレ」 綺麗な声だ…… と思いながら、上を見上げ、思わず息を飲んだ。 落ちた紙を僕に差し出しながら微笑んでいる彼女は、声に合っていて、とても綺麗なひとだった。 「……?」 あまりの綺麗な姿に、見とれていた僕を見て彼女は不思議そうに僕の顔を覗き込んできた。 「……あ、ありがとうごさいます」 我に返って、お礼を言うと、 「敬語、使わなくていいよ?見たところ私と同じくらいだし」 ね? と笑った。 「あ、うん……ありがとう」 「ね、私いいこと思い付いたんだけど……紙を一枚くれる?」 「?……いいよ」 紙で何をするんだろう、と思いながら彼女がしているのをただ眺めていた。 .
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