1.ふたりきり

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「あーもう、なんだよ」 「えっえっ?」 ぎゅって後ろから包み込むように抱きしめられる。 アキラの息が耳に、頬っぺたに、当たる。 心臓の音がうるさい。 「ダメかと思った」 「なん、で?」 頭がぐるぐるする。声を出すので精一杯。 「だってアイ、いつもと変わらないんだもん」 「アキラこそ」 「嘘だね、俺めっちゃ緊張してたもん」 「えー、嘘だ」 くすくすと笑いあう。私は体を傾けて、アキラに視線を向けた。
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