第二章

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夢を見ていた。 遠いあの日の夢だった。 ぼんやりと霞む世界に 大好きだった人の 大好きだった声が響いていた。 「……っは、」 つっと垂れた汗が 公園に流れる風に揺れた。 いつの間に眠っていたのか。 スケブから切り取った一片が 手の中でぐちゃぐちゃに歪んでいた。 「ミズキーっ!」 「ソラ、?」 遠くによく知った三つの影を従えて 長い腕をブンブン振って駆けてきたソラは、 描いてたの?と、歪んだ一片を優しく広げた。 「うん。でもいい それ、捨てる」 「へ?なんで?」 だってその絵は、嫌いなんだ。 小さな公園にひとり。 うずくまった男の子。 まるであの日のオマエみたいで。 まるであの日の俺みたいだ。 .
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