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夢を見ていた。
遠いあの日の夢だった。
ぼんやりと霞む世界に
大好きだった人の
大好きだった声が響いていた。
「……っは、」
つっと垂れた汗が
公園に流れる風に揺れた。
いつの間に眠っていたのか。
スケブから切り取った一片が
手の中でぐちゃぐちゃに歪んでいた。
「ミズキーっ!」
「ソラ、?」
遠くによく知った三つの影を従えて
長い腕をブンブン振って駆けてきたソラは、
描いてたの?と、歪んだ一片を優しく広げた。
「うん。でもいい
それ、捨てる」
「へ?なんで?」
だってその絵は、嫌いなんだ。
小さな公園にひとり。
うずくまった男の子。
まるであの日のオマエみたいで。
まるであの日の俺みたいだ。
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