第一章

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強く握れば かりんと折れてしまいそうな その体は オレンジ色のボールを 自由自在に操った。 ボールを突く度 届く振動。 窓から漏れる 朝の光。 蛍光灯を映し出す床に 彼の汗がぽたりと落ちた。 二人きりの体育館。 日は、まだ生まれたばかり。 「ソラ、終わった?」 「ん。ありがと、コーキ」 手にしたゲーム機から 目を離さずにタオルを渡せば きっと笑顔でそう返した。 あっちぃ、なんて まだ冬の余韻の残る中 上半身裸のバカ一名。 カゼ引くぞバカ バカだからヘイキー いつもと同じ バカみたいに平坦で バカみたいに平和で。 .
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