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強く握れば
かりんと折れてしまいそうな
その体は
オレンジ色のボールを
自由自在に操った。
ボールを突く度
届く振動。
窓から漏れる
朝の光。
蛍光灯を映し出す床に
彼の汗がぽたりと落ちた。
二人きりの体育館。
日は、まだ生まれたばかり。
「ソラ、終わった?」
「ん。ありがと、コーキ」
手にしたゲーム機から
目を離さずにタオルを渡せば
きっと笑顔でそう返した。
あっちぃ、なんて
まだ冬の余韻の残る中
上半身裸のバカ一名。
カゼ引くぞバカ
バカだからヘイキー
いつもと同じ
バカみたいに平坦で
バカみたいに平和で。
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