Ⅰ―Ⅲ 面影を追いかけて

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 ララが追及しようと目線を智和から男に変えた直後、尋問室の扉が開かれた。  そこには待機していた男子生徒がいた。 「悪いが予定変更。終了だ」 「ちょっと待て。まだ五分も経ってないぞ」 「それはわかってる。事情が変わったって言ったろ。今すぐ出ろ」 「納得する理由がなけりゃ予定通りあと十分はここにいる」  強情な智和に観念したのか、男子生徒は耳元で囁く。 「お前の依頼主の諜報員がそいつと話したいと言ってきやがったんだよ」 「ララと?」 「違う。尋問されてる奴だ」  何故この場面でエリクが出てくるのかわからない。しかも相手はララではない。 「何でまた?」 「知らねぇよそんなこと。受付の話だとソイツは許可証ちらつかせてるんだよ。教師達がそんな便利グッズを身元不明の奴に出すとは思えないが、実際に持ってるんだよ」 「だけどな」 「智和。お前の言いたいことはわかる。だけどこれはもう優先順位が変わった。それにな、今のお前達はララ・ローゼンハインっていう“問題商品”を抱えてるんだ。俺や廊下にいる千夏はなんとも思ってないがお前達の、智和と瑠奈の為に言っとくぞ。ララ・ローゼンハインを連れたままIMIを回ったら時間の無駄だ」
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