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男子生徒がエリクに簡単な説明を始める。前を向いて、先に歩くララと瑠奈の二人を追い掛ける。
「あの諜報員と話したか?」
「いいえ」
「疑問は残ったままだが場所は聞いた。次はそこまでの足探し……か」
「……ねぇ。智和」
ララが俯き加減で、何故か申し訳なさそうに声を発した。
「どこかの科に協力を要請するなら、その時私は……立ち会わないわ」
「何言ってる。依頼主がいなけりゃ意味ない」
「だとしても、さっき諜報科の学生が言っていたのは紛れもない事実よ。私は他の科に無理難題を申し付けた。初めて私を見たのはIMIの正面入口でしょう?」
智和は、瑠奈と共に射撃場に向かう途中のことだと判断した。
「ああ」
「あの時既に断られていたのよ。だからエリクが手配した車で現場に向かったの。ここじゃあ私は嫌われ者になってしまっている」
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