Ⅰ―Ⅲ 面影を追いかけて

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 男子生徒がエリクに簡単な説明を始める。前を向いて、先に歩くララと瑠奈の二人を追い掛ける。 「あの諜報員と話したか?」 「いいえ」 「疑問は残ったままだが場所は聞いた。次はそこまでの足探し……か」 「……ねぇ。智和」  ララが俯き加減で、何故か申し訳なさそうに声を発した。 「どこかの科に協力を要請するなら、その時私は……立ち会わないわ」 「何言ってる。依頼主がいなけりゃ意味ない」 「だとしても、さっき諜報科の学生が言っていたのは紛れもない事実よ。私は他の科に無理難題を申し付けた。初めて私を見たのはIMIの正面入口でしょう?」  智和は、瑠奈と共に射撃場に向かう途中のことだと判断した。 「ああ」 「あの時既に断られていたのよ。だからエリクが手配した車で現場に向かったの。ここじゃあ私は嫌われ者になってしまっている」
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