Ⅰ―Ⅲ 面影を追いかけて

20/51
前へ
/1155ページ
次へ
「だから」とララは続ける。 「私がいれば通る協力も通らなくなる。任務に支障が生じるけどそれは私の責任。私が招いた失敗」 「だったら少し考えて動いてくれ。もう遅いがな」 「……ええ、そうね」 「だがな、お前を立ち合わせないなんてしないからな」  思わぬ言葉にララは顔を上げた。 「なに言ってるの? さっき私が足を引っ張るって言ったばかりじゃない」 「これはお前の依頼だ。お前抜きでやるなんて馬鹿馬鹿しい」 「だとしても」 「うるせぇ。だとしてもじゃない。お前がここで何をして嫌われたか知らないがそれでも連れる。そして、それでも足を手に入れる。別に現段階は中隊規模の部隊を要請するようなものじゃない。お前が嫌われ者? 関係ない」 「……呆れた。貴方は本当の馬鹿ね。自信家か馬鹿のどちらかと思ってたけど、狂ってる馬鹿よ」 「俺に狂ってるなんて誉め言葉だ」 「…………ありがとう」 「どういたしまして」
/1155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

490人が本棚に入れています
本棚に追加