第一話「覚醒」

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「地球に危機が迫っています。早く…早く目覚めてください。…でないと…」 額に大量の汗をかき、うなされながら目を覚ましたこの物語の主人公、風太は、最近、白いドレスを身に纏い悲しそうな目をした女性の夢を毎日見ていた。 その夢は決まって最後の一言の前で途切れ、目が覚めてしまう。 そして、目が覚めてからしばらくの間、心の奥底で何かがざわめき、それが収まるまで放心状態に近い形でベッドの中で佇み、夢を見るようになって以降、毎日学校に遅刻するのだった。 それを心配した両親は、精神科に診てもらうよう検討したが、風太はそれを頑なに拒否したのだった。
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