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そんな死ぬ気を、リョネルは真っ向から受けない。
龍一の想いをあざ笑うかのように、かわし続ける。
(くっそぉ……!)
戦略的に正しい、残酷な判断。
こうする間にも限界は刻一刻と迫っているし、これ以上龍一に打つ手はない。
せいぜい、動き出しを変えることくらい。
「一回引け龍一!」
と、翔太の声がする。
龍一は翔太達の位置を確認すると、後ろに跳び下がりダークボディを解除する。
だが、リョネルはその瞬間を狙っていた。
「ふふ、千手の紫閃」
消える。
狙いは無防備になった龍一。
目がついて行かず、華那とレイはただ、紫の閃光のみを見る。
正面から突撃された龍一は、視界の中心でまるで爆発するような速さで大きく見えるようになる姿を見る。
終わった。
そう直感した。
だが、
「らあっ!」
「!?」
龍一に声をかけた翔太には、既に動き出しの準備があった。
ライソクは、“千手の紫閃”発動状態のリョネルの動きに追いつき、そのリョネルの勢いを利用して長躯を投げ飛ばす。
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