赤。緋。朱。

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--1-- 階段を駆け上る。 母親はほとんど無視。   止めなければ。 止めなければ。   乱暴にドアを開ける。   「芽衣!!」   目に飛込んできたのは、赤。   「どうしたの?」   笑ってる。 右手に刃を持ち、左手を傷つけて。 腕を、足を。 全身を、傷つけて。   流れ落ちる血を眺め、芽衣は、笑っている。   「どうして!?」   芽衣は、答えない。 答えないで、話す。   「綺麗でしょう?」 「答えたくない」   目の前の少女は、自分の血を舐めて、妖しく微笑む。   「こんなに綺麗なのに……」 「約束が、違う……」 「約束?私、約束なんてしたかしら?」 「……お前っ!!」 「ふふふ……貴方、また私の時間を邪魔するの?それなら……」   芽衣は、手近にあったナイフを握る。
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