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「それで……それでお前は僕を殺すのか?」
“彼女”は、全身から血を流し。
それでも笑っていて。
僕を嘲笑うように。
言った。
「貴方が、邪魔するからよ」
加速する血まみれの体。
右手に握る刃を、僕に突きだそうとして。
それでも、僕は動かない。
ただ、一言。
「芽衣、何してる?」
ぴた、と止まる彼女の体。
「私は……えぇと……あれ!?」
流れる血。
手に持った刃物の、その切っ先。
激痛。
「なんで……なんで!?」
僕は、彼女に刺されていた。
だけど。
彼女を責めることはできない。
なぜなら――
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