絡まる糸

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外見は三階建てで白を主としたお洒落な造りなのだが、一歩中に入って見るとそれが見掛け倒しなのだと気付く。 一歩歩くだけで唸る床にペンキの剥げた壁、そして年代を感じさせる古びた家具たち。 金目当てで忍び込んだ強盗でさえ、尻尾を巻いて逃げだしてしまうだろう。 リフォームするとなると多大なお金が掛かる、ならば立て直すか引っ越した方が良いのではないのかと思う瑠瓜だが、もしそれを母親に言ったならば冷めた目で見られるか、その金を稼いで来いと怒られる事は目に見えているのであえて言わないでいた。
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