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「なにあのサークル!
勇者ってそんなホイホイなれるもんなの?!
違うだろ!つか違っててくれ!!
てかフルボッコって何だよ!
俺何もしてねーじゃん!
寧ろ被害者俺ぇーッ!!!!」
頭を抱えながら叫んでいると、
コンコンと部屋の扉が叩かれた。
―ガチャ―
「失礼しますデスよ魔王様。」
そう言って、入ってきたのは
1人の美少女メイド…
…等では無く。
執事服を着た1人のイケメン。
「…ん? ああ…お前か、ミルフィ。」
イケメ…ミルフィはニコニコと笑顔で
「今お忙しかったデスか?」
と、笑顔を崩さないまま聞いてきた。
彼の名前は
ミルフィルスエグル=デスゴッド。
家事・炊事から城の管理まで
全てをこなす万能執事だ。
名前が無駄に長いので
俺はミルフィと呼んでいる。
…後にめんどくさくて、一度だけ
ミルと呼んだらその日の夕食が何故か
“ダークマター”になったので
それ以降一度もミルとは呼んでない。
…たまにアレは笑顔じゃなくて
ただの細目なのかと思うんだが…
実際、どうなんだろうか…
「あ、ああ…大丈夫だ。」
俺がそう答えるとミルフィは
そうデスか。と言いながら
廊下へと戻り…何かを引き摺ってきた。
…何だ、アレ。
ミルフィが引き摺ってきたのは…人間。
「実はつい先程、
この人間が門前に着たのデスが…
私と目が合うと同時に
倒れてしまいましてデスね…
どうしたら良いデスかね?」
「どうしたら良いって言われても。…?」
ふと。その倒れたらしい人が
引き摺られてきた床に目がいった。
……すごく、赤いですwww
「ミルフィさん…?
何で床が赤くなってんのかな?かな??」
本来ならその床は、暖かみのある
クリームブラウンだった筈ですが?ww
「え?…ああ、コレデスか?
コレはこの人間の血デスよ、魔王様。」
何当たり前な事聞いてるのデスか~w
と、笑顔のミルフィ。
へー、血ねぇ…ふーん…………血??
え…何で、血?
あなたさっき目の前で倒れたから
連れてきたって言いましたよね?
「そ、そうか。だから
さっきから血生臭かったのかw」
次から次へと浮かんでは消える疑問を
なるべく考えないように言うと
ミルフィは「実は…」と、
何やら思い詰めた顔になった
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