第二章 過去

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~デパート~ 今、亘はデパートの地下にいる。 全20階建ての大型デパートだ。 地下にいる理由はここにモンスターがいるからだ。 そして生きては帰れない場所。 亘 「ここか・・・いるのか?カイザー」 そう呼ばれた名前。 応えるかのようにうめき声が聞こえた。 カイザーとは 直立二足歩行で、顔は龍のようだ。 筋肉質な体に鋭い爪が生えている。 全長は2メートル近くで重さは200キロある。 亘 「どこにいる?」 この静けさが緊張をあおる。 次の瞬間、背中に急接近する何かの気配を感じ振り返る。 しかし遅かった。 振り返った瞬間何かに押されそのままデパートを支えている柱に衝突した。 衝撃が体中を襲う。 柱ごと握りしめられ身動きがとれなくなった。 亘 「ガハッ・・・くっ・・・」 口から流れる血。 亘はここから抜け出す方法を考えた。 しかし焦りが途中で思考を停止させてしまう。 カイザーと呼ばれるモンスターの力に耐え切れず先に柱が崩れた。 亘はチャンスだと思い体制を立て直し、腰の剣を抜き構える。 カイザーは吠える。 その声は地響きさえ起こす。 亘 「くそっ!生きなきゃいけないんだぁ!」
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