第二章 過去

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亘はカイザーに真っすぐ向かっていくが、その力の差は歴然としていた。 カイザーの右手が亘目掛けて繰り出される。 咄嗟に剣を盾にするがそのまま吹き飛ばされる。 受け身をとって立ち上がるがもはや足にきていた。 ガタガタと震える足。 剣を持っている右手への激痛。 この短時間でかなりのダメージを負っていた。 しかし、回復の間を与えてはくれない。 カイザーは口を開き、炎のブレスをはく。 亘の悲鳴は虚しく響く。 それから何時間が経ったろうか。 もはや体力のない亘。 そして右目に傷がはいり見えなくなっており、右手は肘関節から下がなくなっていた。 左手に持った剣も刀身の3分の2が砕けていた。 ただカイザーにもかなりのダメージを与えていた。 亘 「はぁ・・・はぁ・・・(もうダメか・・・雲雀達に別れも言い忘れちまったし、散々だな)」 もはや、喋る力もなく心の奥で思った。 もう一度、雲雀達に会いたいと。 そんな事を考えているとカイザーはとどめを刺しにきた。 振りかざされる爪。 終わったと思い、目を閉じた。 しかし痛みはいつまで経ってもこなかった。 もう死んだのかと思い目を開ける。
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