第二章 過去

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1時間ぐらいした頃だろうか 龍牙は瓦礫の中で目を覚まし、瓦礫を押しのけ外に出た。 そこにはあるべきデパートがなかった。 瓦礫の上に立っている自分が憎かった。 そして空は自分を哀れむように雫を落とし始める。 現実を受け止めなければならないのは分かる。 だがそれを拒否する体。 龍牙 「・・・う・・・うわぁぁぁぁぁ!!!!」 どうしたらいいか分からず叫び続けた。 仲が良かった訳でもなく、まだ知り合ってたった一日目だった。 なのにこれだけ辛さを感じてしまう。 なら雲雀達はどれだけ辛いのだろうか。 龍牙 「・・・一之瀬さん。この事は俺が背負います・・・」 その後、急に空から水の雫が降り出した。 雨音が徐々に強くなる。 そこにしばらくたたずみ、亘へ黙祷を捧げた。 この事は龍牙がセイクリッドのマスターに頼み真相を隠したのだった。 理由としては、ヘルクライシスで働いている雲雀と飛鳥には言えなかったからだ。 ヘルクライシスのマスターが一之瀬亘を、雲雀達が一番仲の良かった一之瀬亘を殺したなど言えばおそらく犯罪に手をだす。 それは避けたかったからだ。 雲雀達には何度か真相を聞かれたが知らないと言った。
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