1.罰ゲーム

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「木元。久し振り」  いわゆるお色直しの歓談中、トイレに立った私にそう話し掛けてきたのは、紛れもなくあの事件の張本人……西森司だった。 「あ、どうも」  軽く会釈をして通り過ぎようとする私の肩を西森が掴んだ。  私はスッと肩をすくめ、その手から逃れた。 「……なに?」  西森は相変わらず格好良かった。  中学の頃からそうだったが、間違いなく、素敵な大人の男に育っていた。 「ちょっと、いい?」  いいはずがなかった。  本当は嫌だったが仕方がない……でも、今更何を話すの?  話すことなど、昔も今も何もない。
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