2.のこり香

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「紗優?」 「はい」  先輩がエレベーターに乗って来た。  途端に中はあの香りで包まれた。 「私、この香り好きです」  なぜだろう? 一番最初に出た言葉が……それだった。 「うん。紗優がそう言ってたから、ずっとやめられなかった」  先輩の言葉で、私の心はすぅっと解放されたような気がした。
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