大切な君

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「…何?二人とも変じゃないか?」 頭にはハテナばかりが浮かび、ネクタイを引き抜きつつ遥に尋ねる。 「…う~ん、たまには遊真への感謝を態度で示そうって、希美と話したのよ。それだけ。嬉しかった?」 「嬉しかった、…けど…」 「けど?」 「俺はいつもの方が良いな。遥と希美が、満面の笑みで元気に出迎えてくれるだけで…疲れが吹っ飛ぶ気がするから。」 照れ臭くて、笑いながら言った。 すると遥も微笑んで、急に俺に抱きついてくる。 「…遥?」 「…遊真の、そういう所が好きよ。愛してる。遊真といると安心して…でもドキドキして。毎日が穏やかなのに新鮮なの。」 胸に顔を埋め遥が囁いた。 途端に胸が高鳴る。 遥の細い体を抱きしめ返し、顔を上向かせてそっと唇を塞いだ。 「出迎えてくれた時の…それとも、の後はなんだったんだ?」 「…分かってるくせに。」 少しだけ唇を離して問うと。 遥の頬が朱に染まる。 「言わないと分からない。」 意地悪く笑って言えば、ポツリと落とされる囁き。 「……わ、たし?」
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