大切な君

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「ただいま~。…!?」 仕事を終え帰宅した俺。 ドアを開けてすぐに、驚きに目を丸くしてしまった。 「おかえりなさい!」 二つ重なった可愛い声が出迎えてくれる。 しかしそれに驚いたわけではない。 出迎えてくれた遥と希美。 その2人が…何故か正座に三つ指をついて恭しく頭を下げていたからだ。 「…ど、どうしたんだ?」 「パパ、お仕事お疲れ様。カバンは希美が持ちます!」 「先にご飯にする?それともお風呂?…それとも…」 「ちょ、ちょちょちょ、ちょっと待って!…な、何?何かあるのか?今日。」 俺の問いを無視して上品に俺をもてなそうとする二人。 初めてのその対応に何故か冷や汗が出る。 「だって…パパお仕事頑張ってくれてるでしょう?凄くかっこ良かったから!」 「え?かっこ良かった?」 まるで見てきたような希美の言い方に首を傾げると、遥が焦った様子で希美の口を塞いだ。 「ふ…ふふふ。希美、もう寝る時間でしょう?明日はパパが遊園地に連れて行ってくれる約束なんだから、早く寝なさい。」 「もごっ…」 何か不満そうに言う希美を部屋に入れ、遥が俺のスーツの上着を脱がせてくれる。
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