2147人が本棚に入れています
本棚に追加
「よしっ。休憩終了! 次始めるぞ」
ちょっと休憩の時間が長すぎたかもしれない。汗も完全に渇いてるし、これ以上は体が冷えて動きにくくなる。
「うんっ! 次は負けないよ!」
「手加減……とかは?」
「絶っ対にしない!」
うぅ……。嫌だなぁ。
絶対ボコボコだ。意味わかんないような絞技とか空中殺法とか……。
体術か……。気乗りしないけど、やらない訳にはいかないよな。
「っし。やるぞ!」
飛び上がるように立ち上がり、跳ねるようにミズキから距離を取る。
ミズキも既に立ち上がり、準備OKみたいだ。
サラサラと流れる風に葉が舞う。俺の頬に風が当たった瞬間。
地面を思い切り蹴った。
先手必勝。狙うは脚。
足払いをかけて一気に終わらせてやる!
素早く距離を詰め、あと二メートル付近でスピードを落とし体を倒す。
手を地面に付け、腕を軸に体を回した。
このまま当たればミズキは地面に倒れ――!
「ふふっ、残念!」
完璧に読まれていたようだ。ミズキは地面から足を離す。
バネのような瞬発力でミズキは俺の足払いを回避。
しかしこれは予想の範囲内だ。伊達にミズキと組み手をやり続けてきた訳じゃない!
最初のコメントを投稿しよう!