―日常―

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「とりゃ!」 「いでぇ!?」  突如として背中に激痛が走った。 敵襲か!? 「なにすんだよ!」 「だってレイが無視するんだもん!」  ぷくぅっと頬を膨らませながら小さい子供のようなことを豪語しやがった。 「だからって蹴り入れる事はねぇーだろ!」  こんなに子供っぽくて無害そうな身なりだが騙されてはいけない。  なぜならミズキは格闘技とか、そんな類がありえないくらい得意だ。  一応は俺も出来るけどミズキにはかなわない。  今は亡き俺のおやじは、俺とミズキに格闘技と日本刀を使った剣術を教えていた。  最初は俺しか教わってなかったけど「なんか楽しそう!」というミズキの一言で、おやじはミズキにまで教えるようになった。  剣術はミズキより上手い。でも格闘技はミズキの方が格段に強かった。  綺麗な花には棘があると言うけれど、ミズキの場合は毒付きだ。人間だと即死してしまう程のな。  下手にミズキに手を出そうものなら腕や足の1本や2本は覚悟しないといけないだろう。  まぁその時は俺も許せないから命の覚悟はしてもらいたい。
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