―日常―

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「あ~背中いてぇ……」 「無視するレイが悪い! それよりさ、今日はなにするの?」  なに、とは。まぁいつもの練習だけど、メニューを変える気はない。 「まずは体術して、それから剣術な」    え~、と嫌そうな声を出すミズキ。正直、俺も体術は憂鬱だ。いつもミズキにボコボコにされるし。 「いっつも同じメニューじゃつまんなーい」  これもいつもの事だ。 なんだかんだで俺より頑張るくせに文句たれたれ。 「んじゃあ、どんなメニューならいいんだよ」  うーん、とミズキは唸った。可愛い子はどんな格好でも様になるのは本当のようだ。  その顔を見ると、もう何年も一緒に住んでんのに少しドキドキする。 「剣術を先にやろうよ。体術はその後!」 「どっちも変わんねーだろ」 「変わるもん」  なにが、と聞いてみた。 「剣術が後だったら私が負けて終わっちゃうじゃん。そんなのヤダよ」  先にも言ったとおり、剣術ならばミズキより俺の方が上だ。体術だったらミズキのほうが強い。  なるほど、ミズキは自分が負けてから練習が終わるのがお気に召さないらしい。  子供みたいな理由だ……。  はぁ、とため息をつく俺を見てミズキが嬉しそうにターンをした。  そして、突然田舎道を駆け出し、それを追いかける俺だった。
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