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黒い車に乗り、5分もたたないうちに倉庫の入口についた。
香織に言われて15分ほど待ったが、まさかタクシーを呼び寄せるとは思わなかった。
「着きましたよ。ここらの住民はみんな怖がって近寄らない倉庫ですよ」
「そうかい。ほら、ありがとよ」
「虎の龍神」
「…なんだ、タクシーの運転手に恨まれるようなことはしてねぇぜ?それともそれじゃ足りなかったか?」
「香織に聞いたんですけどね、俺の頃より今のガキどもはどうもやんちゃが過ぎるらしい、ですよ」
「アンタ、こっちの人だったか」
「今じゃしがない運転手ですよ。気をつけてくだせぇな、やつらキレたら何するか分かったもんじゃねぇ…ですよ」
「おう、ありがとよ」
扉を閉め、倉庫の扉を無理矢理蹴り破る。
「な、なんだてめぇ!」
倉庫には10人と少し、高校を卒業か中退したような連中が大半だ。
その真ん中で、3人の男にまわされている女がいる。
香織に写真を見せてもらったが、あれが友達で間違いないようだ。
話を聞いたとおり、胸がでかいのが印象的だ。
「おいこら、ここがどこだか分かってんのか!」
半裸の男が近寄って来る。
最中だったためか、それともすぐ女に挿入れ直すのか、汚い棒を揺らしながら歩いている。
「タクシーで乗り込むたぁ、てめぇどこのビジネスマンだ、オォ?」
「好きで使ったわけじゃねぇよ」
「すましやがって、ちと痛い目にあわ――ぶがっ!!」
射程圏内に入ったので、前蹴りでぶっ飛ばす。
「汚ぇもんぶら下げながらくんじゃねぇよ」
一撃。沈黙した男をみて、倉庫内の空気が変わる。
喧嘩の独特の空気だ。
奥にあるソファーでくつろぐ、黒革のジャケットを着る男がいう。
「何モンだてめぇ」
ポケットから細長い布を取り出し、拳に巻き付ける。
マジでやるとき、俺はこのスタイルでいる。
それをみて、誰かが気づいたようだ。
「黄色と黒のサラシ…こ、こいつ!虎の龍神だぁ!!」
「おうよ、訳ありで…暴れさせてもらうぜ!」
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