乾いた欲望を満たす

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薄暗い照明。 無駄に広く、キラキラと飾りの多い部屋。 その中央のでかいベッド。 あがった息を整えて、タバコに火をつける。 隣には、自分の残骸の処理に忙しい女がいる。 隣の高校のやつ…名前は聞いたが忘れた。 どうせコイツも今日だけの付き合いだ。 向こうも暇つぶし程度の気持ちなんだろう。 なにも感慨なく、息を吐く。 吐き出した分だけ煙りを吸い込む。 周りに馬鹿にされるのはムカつくが、変に重くても舌が痺れるだけだ。 3ミリのメンソールをおもむろに吐き出す。 「ねぇ…」 女が背中にはりついてきた。 1年のくせにでかい武器を押し付けて、首に腕をからめてくる。 「凄かった…。いつも乱暴にされるだけなのに、アンタのかなり燃えた」 「そういうのは好みじゃねぇんだろ」 雰囲気で女が驚いたのが分かる。 出会って数時間、自分の好みを把握されるとは思ってなかったんだろう。 「やっぱ噂どおりのヤツなんだね」 「なんの噂だ」 「いい男っては、な、し」 タバコを奪われ、またベッドに引き込まれる。 仕方ないからもう少し楽しんでおくか。 「助けてくれない?」 「ほかに頼めよ」 「アンタが気に入ったの。ほら、これ付けないでいいからさ」 手に握った物を奪われ、ベッドの下に捨てられる。 「…話してみな」 「楽しんでから、ね…」 損な性分だと思ってる。 相手が尽くした分だけ、倍で返してやる。 この女、かなりのツケが出来ちまいそうだ。 利用されてるのは分かってはいるが、損じゃねぇ。 存分に今を楽しんでおくか…。
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