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男のさがの渇きは随分おさまった。
余計な後腐れがないように気をつけるとこは気をつけてたが、女がいいと言えば遠慮しない。
久々の背徳行為に、少なからず楽しさはあった。
隣の女は終わってからもこっちを見ている。
「なにをすりゃいい」
右手で柔らかいのを弄りながら口を開く。
「あたし、売られそうなの」
「こんなことしてるからだろ」
「『コレ』は好きなの。だけど人生までは売りたくないし」
「悪くねぇんじゃねぇの」
「絶対嫌」
こうしててもしっかりと反応はするが、表情だけは真剣な眼差しだった。
「めんどうな男につかまったんだよウチら」
「『ら』?」
「友達なんだけど、同じ学校の先輩にさ…。お金くれるっていうから相手したのに、稼ぎ口教えてやるだけって言ってなにも出さないの」
「よくある話しだろ」
「それで済めばいいんだけど、なんか後ろについてるらしくて、最近友達と連絡とれないの」
「…いつからだ」
「一昨日の夜。昨日『拉致』られたんじゃないかって噂きいてさ。あたしもやばいかもしれないの」
また我慢できなくなってきたのか、俺の上に体をのせてくる。
「…男の名前は?」
「矢城雄二、知ってるでしょ名前くらい」
「西のユージか」
「んっ。…ねぇ、アンタだったら出来るでしょ?」
「…なんで俺なんだよ」
「群れない狼で有名だから。事が終わっても、アンタしか繋がりないでしょ? あとからあとから出でくるのってめんどうなの」
「…聞くが」
「んっ…え?」
「二度抱かないで知らねぇのか?」
「あぁ、アンタ? 大丈夫、あたしは特別でしょ…っ!」
話しは終わりなのか、行為に集中し始める女。
目の前に揺れるものを掴んでやる。
「それにね…! あたし好きなんだよっ、アンタみたいな、ぁっ…! 絶倫っ!」
「…好きモノなだけだろ」
「気に入らないっ…?」
「いや、気に入った」
見た目も『コレ』も悪くない。
決めた女は作らないが、こいつはこいつで付き合いが長くなりそうだ。
「頼むよ『虎の龍神』」
「もっと楽しませてくれたらな」
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