乾いた欲望を満たす

3/4
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
男のさがの渇きは随分おさまった。 余計な後腐れがないように気をつけるとこは気をつけてたが、女がいいと言えば遠慮しない。 久々の背徳行為に、少なからず楽しさはあった。 隣の女は終わってからもこっちを見ている。 「なにをすりゃいい」 右手で柔らかいのを弄りながら口を開く。 「あたし、売られそうなの」 「こんなことしてるからだろ」 「『コレ』は好きなの。だけど人生までは売りたくないし」 「悪くねぇんじゃねぇの」 「絶対嫌」 こうしててもしっかりと反応はするが、表情だけは真剣な眼差しだった。 「めんどうな男につかまったんだよウチら」 「『ら』?」 「友達なんだけど、同じ学校の先輩にさ…。お金くれるっていうから相手したのに、稼ぎ口教えてやるだけって言ってなにも出さないの」 「よくある話しだろ」 「それで済めばいいんだけど、なんか後ろについてるらしくて、最近友達と連絡とれないの」 「…いつからだ」 「一昨日の夜。昨日『拉致』られたんじゃないかって噂きいてさ。あたしもやばいかもしれないの」 また我慢できなくなってきたのか、俺の上に体をのせてくる。 「…男の名前は?」 「矢城雄二、知ってるでしょ名前くらい」 「西のユージか」 「んっ。…ねぇ、アンタだったら出来るでしょ?」 「…なんで俺なんだよ」 「群れない狼で有名だから。事が終わっても、アンタしか繋がりないでしょ? あとからあとから出でくるのってめんどうなの」 「…聞くが」 「んっ…え?」 「二度抱かないで知らねぇのか?」 「あぁ、アンタ? 大丈夫、あたしは特別でしょ…っ!」 話しは終わりなのか、行為に集中し始める女。 目の前に揺れるものを掴んでやる。 「それにね…! あたし好きなんだよっ、アンタみたいな、ぁっ…! 絶倫っ!」 「…好きモノなだけだろ」 「気に入らないっ…?」 「いや、気に入った」 見た目も『コレ』も悪くない。 決めた女は作らないが、こいつはこいつで付き合いが長くなりそうだ。 「頼むよ『虎の龍神』」 「もっと楽しませてくれたらな」
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!