乾いた欲望を満たす

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最近なにをやってもつまらねぇ。 学校で授業なんてのも性にあわねぇし、つるむ事も嫌いだ。 だが、周りはお構いなく俺にちょっかいを出してきやがる。 虎の龍神、誰もかれも口を開けばそれだ。 斗賀野隆司、いつからか名前をもじりそんなあだ名がついていた。 とらじゃなくて『とが』だし、名前だって蛇足ついてんだろ。 それに虎なのか龍なのかはっきりしろって話しだ。 その怒りのはけ口で、ちょっかい出してきたやつをいつも懲らしめてきた。 高校2年にして、向かうところ敵なしなんて噂もあがるからたまったもんじゃねぇ。 そう、世間から見れば俺は立派なワルってわけだ。 好きに学校ふけて、好きに街で遊んで、好きに女とやる。 そんな生活を続け、最初こそは楽しかったもんだが、今じゃ飽きが来ている。 昨日の女はとびきりの上玉だったから連絡先は教えたが、普段なら捨てている。 喧嘩もタイマンじゃそうそう負けねぇし、金も尽きねぇ。 母親の不倫相手から、法的に仕送りが送られて来る。 俺の実父らしいが、状況も状況で数回しか顔を見たことねぇ。 育ての親父も単身赴任で、結局は仕送りだ。 一人でこの街に残り、母親も不倫相手に忙しいようで、結局好きに生活するしかねぇ。 金があるだけ非行にはしってねぇが、やってることみりゃつまらねぇことしてる。 だから、最近じゃまね事を初めてみたわけだ。 状況にもよるが、基本的に俺が気にくわねぇ野郎をぶん殴るだけの、悪を退治する悪のヒーローってやつをな。 女からの報酬は受けとった。 さっさと片付けちまおうと、街を歩く。 さぁ、材料は揃った。 今回はどれだけ楽しくなるかよ。
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