6人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
最近なにをやってもつまらねぇ。
学校で授業なんてのも性にあわねぇし、つるむ事も嫌いだ。
だが、周りはお構いなく俺にちょっかいを出してきやがる。
虎の龍神、誰もかれも口を開けばそれだ。
斗賀野隆司、いつからか名前をもじりそんなあだ名がついていた。
とらじゃなくて『とが』だし、名前だって蛇足ついてんだろ。
それに虎なのか龍なのかはっきりしろって話しだ。
その怒りのはけ口で、ちょっかい出してきたやつをいつも懲らしめてきた。
高校2年にして、向かうところ敵なしなんて噂もあがるからたまったもんじゃねぇ。
そう、世間から見れば俺は立派なワルってわけだ。
好きに学校ふけて、好きに街で遊んで、好きに女とやる。
そんな生活を続け、最初こそは楽しかったもんだが、今じゃ飽きが来ている。
昨日の女はとびきりの上玉だったから連絡先は教えたが、普段なら捨てている。
喧嘩もタイマンじゃそうそう負けねぇし、金も尽きねぇ。
母親の不倫相手から、法的に仕送りが送られて来る。
俺の実父らしいが、状況も状況で数回しか顔を見たことねぇ。
育ての親父も単身赴任で、結局は仕送りだ。
一人でこの街に残り、母親も不倫相手に忙しいようで、結局好きに生活するしかねぇ。
金があるだけ非行にはしってねぇが、やってることみりゃつまらねぇことしてる。
だから、最近じゃまね事を初めてみたわけだ。
状況にもよるが、基本的に俺が気にくわねぇ野郎をぶん殴るだけの、悪を退治する悪のヒーローってやつをな。
女からの報酬は受けとった。
さっさと片付けちまおうと、街を歩く。
さぁ、材料は揃った。
今回はどれだけ楽しくなるかよ。
最初のコメントを投稿しよう!