戦場の邂逅

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「良し、ノワールよ、そちらはどうだ?」 合意に達したナディアとレイン。 「はっ!我に異存はありません。ミーシャ、お前も良いな?」 「ノワちゃんも……離れるの?」 ナディアから目を反らして微かに呟く。 「馬鹿を言うな。竜が一度誓った事を違える訳がない。だがここは我に従え。今まで散々我が儘を聞いてきたんだ。それぐらいは聞き入れろ」 「………………わかっ…た…」 長い沈黙の後にミーシャも同意する。 「ラグリスとグランは任せろ」 そう言うとレインはヨハンが墜落した地点に向け飛ぶ。 「我等も行こう。ファル、貴様はライラシュネックを、我とミレイは無駄な戦闘が起こらないよう外を見る。直ぐに増援も来る」 ジンが戦場に着いたのが見えた。明日にはゼノスも来るだろう。 「了解だ」 ファルもジルファリオを連れてライラシュネックに向かう。 「さて、これからどうなることか……いずれにしても波乱は間違いないか……やれやれ…」 嘆息してから、先ずはジンの元に向かうノワール。 「バッシュ………しっかりするのよミレナリス。あの子ならきっと無事な筈…」 不安を無理矢理心の底へ押し込めるとミレイもライラシュネックへと向かう。 サーリアスを除いた各国の実力者達が今ここにいる。 新しい何かが始まる。 そんな風が強く吹いていた。
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