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夕月夜との生活にも、柚月のマイペースっぷりにもお互い慣れた頃、村に1人の来訪者が来た。
村に来訪者が来るなんて何時以来だろうかというぐらい、滅多に来ないため村人が噂をしていた。
村外れに住んでる夕月夜たちにもすぐに噂は届いた。
「そんなに珍しいの?」
「あぁ。最後に来たのは何年も前だ。
しかもこのタイミングで来るなんて……」
夕月夜は言い掛けて濁した。柚月は何のことだかわからないといった様子で首を傾げる。
夕月夜は思った。
そもそも柚月が来たこと自体大変珍しいことだ。それなのにもう1人。この短期間で2人も来ることなどかつてなかった。柚月は別として、もう1人はこんな辺鄙な村に一体何の用が……?
眉間に皺を寄せた夕月夜が更に皺を濃くした時、扉を叩く音が響いた。
「誰だろう?」
「お前は奥に隠れていろ」
村人に柚月のことは秘密にしているので奥にやり、頃合いを見て扉を開けた。
そこにいたのは渦中の人だった。
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