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3人で卓を囲んで座る。夕月夜が煎れてくれたお茶が暖かい湯気を出している。
暫しの沈黙があり、それを破ったのは柚月だった。
「あなた、名前は何ていうの?」
「し、失礼、しましたっ!
わたくしは、神殿に仕えている巫女の…神無と申しますっ」
神無と名乗る少女は大袈裟なぐらい深々とお辞儀をした。
「神無ちゃんね。
で、神無ちゃんは私の世界のこと知ってるの?」
「い、いえっ。わたくしは、詳しくは………」
神無は知っていることを話した。
そこから得られた情報は極僅かで、本当に何も知らないようだった。
「つまり、云い伝えでは異世界から来た妃神子がこの世界を危機から救うってことだよね?」
途切れ途切れに語られた内容を柚月が明瞭に訳した。
「で、それが私ってことになるんだよね?」
柚月は自信無さそうに神無と夕月夜の顔を交互に見やった。
神無はコクコクと頷き、夕月夜は軽く肩を竦めた。
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