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「お粥ありがとう。」
食べ終えてお礼を言うと、それまで部屋の隅で待機していた男が動いた。
「お前、名は?」
「名前は柚月。あなたは?」
食べ終わった椀を渡しながら答えた。
「夕月夜。」
「変わった名前ね。」
そう言って笑ってみせるが、夕月夜と名乗る男はフンッと鼻を鳴らして椀をベッド横の机に置いた。
「何故お前は砂漠に倒れていた。何処から来た。」
夕月夜は椅子をベッドに引き寄せて座った。
「私、砂漠に倒れていたの?」
聞き返すとコクンと頷く。
「あなたが助けてくれたんだよね?」
またコクンと頷く。
「…………ここは何処なの?」
「質問しているの、俺なんだけど。」
素っ気なく返された。
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