第1夜

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───────────── 異世界に来て1週間が経った。 この世界の気温にも慣れ始め、けれど昼夜の寒暖差には未だ戸惑うそんな日々を送っていた。 あまり部屋から出るな、と言われてしまい、特にすることもなく柚月は過ごしていた。 「泊めてもらってるんだし何か手伝おうか?」 「…………おとなしくしていないなら追い出すぞ」 そんな会話を毎日している。 夕月夜はこの村の村長さんの息子らしい。しかし仲が悪く、同じ村に居ながら別居しているのだとか。父親は大変厳しい人らしく、目を付けられないように柚月にはおとなしくさせていた。 2人の間には深い怨恨があるのだろう。 1週間過ごしてわかったことがある。 1つは、この村は砂漠のど真ん中にあり隣村までかなり距離があるということ。なので物流もあまり無いらしく砂漠で育った細い野菜や砂漠でしか育たないような変わった食物しかない。 もう1つは、夕月夜は見た目程怖くないということだ。 かなり無口で無愛想でぶっきらぼうだが、それは照れているだけだと思う。 この村に若い娘はいない。みんな出稼ぎに都市部に行ってしまったからだ。居るのはこの村で夫婦になった人たちと小さい子供たちだけだった。 だから夕月夜は柚月にどう接していいかわからないのだ。 名前を呼ぶ時に少し恥ずかしそうにするし、 「おはよう」「おやすみ」などの簡単な挨拶も顔を合わせないし、 じっと見てると少し顔を赤らめて反らす。 .
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