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第一章:運命の出逢い
今は、まだ肌寒い春先の頃…
使ってる者が、ほとんど帰宅してしまった放課後の学園。
学園で使われなくなった古い教室に、この学園の生徒が1人残っていた…
学生は耳にイヤホンをして音楽を聴き、本を読んでいる
僕の名前は
神無月悠羽(カンナヅキ*ユウ)
今、アル理由があって僕はここに居る…
ガラガラ☆
扉の開く音に振り返ると、そこには…1人の『カッコイイ』と言うよりは『可愛らしい』と言った方が正しい容姿の学生が立っていた。急に開いた扉にビックリしたが状況を知る為、僕はイヤホンを外した、すると…
「お前、神無月 悠羽か?」
先に口を開いたのは彼だ。
「………。ああ…そうだけど何か用?」
(なんだコイツ。)
いきなりフルネームで呼ばれたので不快に感じ冷たく答えた。
「あーゴメン。用つーか、えーと俺は…」
不機嫌に気付いたのか、謝り自己紹介をしようとする…
そんな彼を遮り僕が口を開いた
「知ってるよ」
「き…!?何?」
「知ってる1年春組の木更津雅楽(キサラヅ*ウタ)だろ?」
「そうだけど…何で知ってるんだ?」
名前が呼ばれて驚く彼に、
(どうだ…まいったか!!)
と少し顔が緩んでしまう。
(初対面で人の名前をフルネームで呼ぶなら不快にさせない様に呼べってーの)
「春組の木更津って言ったら小中から結構有名だし、知らない方が少ないんじゃないか?それより、僕の名前を確認して何かお話でも?木更津くん」
「雅楽で良いよ。お前…、えっと悠羽こそ何の用だよ?」
(質問したのはコッチなんだけどな…つーか、え?呼び捨て?しかも下の名前ってねーだろ;噂通りだな)
そう思い答える前に木更津が何かを取り出し見せてきた。
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