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「お前なんだろ?この手紙を贈って来たって奴は」
言いながら近づいて来る。
(手紙を見て彼の行動が、やっと理解できた)
『四月二十伍日、放課後
旧校舎の1年春組にてお待ち下さい。
大切なお話がございます。
どうかお1人でお越しくださる様、お願い致します。』
溜息をつき自分も手紙を出して言う…
「その手紙なら僕も貰ったよ、ちなみに贈って来た奴なんか知らないから、今そいつを待っているトコロだしな」
彼は自分で持って来た手紙と僕が渡した手紙を見比べていた。
(…解らない、こんな詰まらない手紙を出す意味は…?本当の事か…それとも冗談なのか…?サッキまではそう考えてたけど)
「まんま同じ手紙じゃん!!」
(…そう、同じ手紙…)
呆れた顔で呟く
「つまり冗談なのが正しいか…」
「あ!?」
彼なりに考え過ぎたのか眉間にシワ寄せて顔を上げる、そんな彼の肩を軽く叩き…
「残念。僕達は暇な奴に騙されてしまった様だな…雅楽」
「はぁ!?」
「こんな手紙を貰う心辺りは無いし、それに手紙には【放課後】ってあるだけで何時(いつ)まで待てはイイのか分からないし…騙されたってのが妥当だろう?正直、大切な話をされても迷惑だしな」
「なんだよそれ」
僕の言葉に納得いかないのか、何か言いたそうな彼を置き、出口に向かう。
(でも何か引っ掛かる…何が…?何故僕達だったんだろう?他には……ん!?まてよサッキ…)
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