第一章

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ずっと夢の中にいた。 車体の小さな揺れで目を覚ます。 近くで子供が大声を発している。 バスは高速道路のランプを降り、料金所のETCゲートを素通りした。 そして、幹線道路を東の方向に向かって走り出した。 顔を見せ始めた朝日が眩しい。 広い道だというのに車はほとんど通ってない。 携帯を開いて時間を見た。 まだ6時45分だ。 きっと、まだ通勤ラッシュの時間もきていないのだろう。 それなら車が走っていなくても無理はないか。 時間とともに、日時も視野に入ってきた。 『3月27日』 もうそんなになったのか。 それもそうだ。 もうすぐ大学の入学式だ。 頬を窓に押し当てて外を眺めてみる。 広い田園地帯の向こうに少しずつ町が見え始めた。
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