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ずっと夢の中にいた。
車体の小さな揺れで目を覚ます。
近くで子供が大声を発している。
バスは高速道路のランプを降り、料金所のETCゲートを素通りした。
そして、幹線道路を東の方向に向かって走り出した。
顔を見せ始めた朝日が眩しい。
広い道だというのに車はほとんど通ってない。
携帯を開いて時間を見た。
まだ6時45分だ。
きっと、まだ通勤ラッシュの時間もきていないのだろう。
それなら車が走っていなくても無理はないか。
時間とともに、日時も視野に入ってきた。
『3月27日』 もうそんなになったのか。
それもそうだ。
もうすぐ大学の入学式だ。
頬を窓に押し当てて外を眺めてみる。
広い田園地帯の向こうに少しずつ町が見え始めた。
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