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春。入学式も終わりソメイヨシノもすっかり葉だけになった。 あちらこちらの小学校から集まったここ1年5組の教室もGWが終わりなんとなくそれぞれが自分なりにクラスに慣れたころだった。 「俺、ほうき~」 クラスの中でもお調子者な、小林誠の声が響いた。 「あ!ずるい!私もほうき!」 石田みずきが負けずとロッカーのほうへ走っていく。 すでにロッカーの前で立っていた、穏やかな雰囲気の入江カナが石田に残念そうに 言った。 「みずきちゃん、ほうきは一本しかなかった・・・」
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