松尾晃太

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次の日の朝、母から変装用の黒髪鬘と眼鏡を貰った。 よく分かんないけどそれ着けて、泣く母を慰める父に見送られて出発した――迄はいいのだけど… 門ってこんなにもでかい物だっけ…? あぁそうか…これを異常って言うんだっけか? 晃太「豪華すぎだろ…何考えてんだおじさん…」 俺の身長の数倍ある門を見上げ俺は呟く。 さて…どうやって入ろうか 此処に来て数十分が経ったけど、一人も見かけない。 こりゃー飛び越えるしか手はないか… 晃太「うしっ!」 俺は門から離れた、そして助走をつけ門に足をかけ、手をかけ、一気に登った。 ガシャンガシャン 金属音が辺りに響く。 俺はてっぺんまで登りきった。 晃太「たっけぇーな…」 意を決して飛び降りると、見事可憐に着地した。 晃太「…っ……いったぁあぁぁ!!!」 足!足痺れたぁあ!! 痛いィイィイ!! 「大丈夫かい、君」 しゃがみこんで足を撫でていると上から声が聞こえた。 見上げると真っ黒のサラサラ髪を一つに結って、黒縁眼鏡をかけた美形がいた。  
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