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諒side
諒「ふぁ~っ…」
大きく口を開いて欠伸をしているのはこの学園の会長である佐久間諒。
普段ならこんなだらしない姿は見せないが、なんせ部屋に誰一人もいないため気が緩んでしまっている。
俺様の安らぐ場所は自室と生徒会室だけだからな
諒「…暇だな」
そんなはずがない。
彼の机には重ねられた書類が山のように積み上げられてある。
やらなければいけない。
それなのに、彼の中には「親衛隊に押し付けよう」という思いだけしかなく、他は松尾晃太のことでいっぱいだった。
罪悪感などはない
隔離された俺達に唯一、普通に話しかけてくれる存在
人格を決めつけ腫れ物に触るような態度をとる奴等と違って、俺という存在を見つめ向き合い手を差し伸べてくれた。
晃太は特別なんだ
誰よりも、何よりも、大切で愛おしい
諒「晃太に会いてぇな」
そう呟いたと同時に二、三回ノックが聞こえた。
もしかして
俺は急いで扉を開いた。
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