気分

3/6
前へ
/158ページ
次へ
大嫌いな榛原さんが来てあげましたよ なんて柄にもなくキモいことを呟いて扉を開くと、閉めきったカーテンが見えた。 その奥からはベッドの軋む音と荒い息遣いと喘ぎ声と卑猥な水音、そして……肉どうしがぶつかる音。 「アッ…せ、せぇ…アンッ!」 「っ…うっせ、喋んな萎える」 ヤッてる最中に遭遇してしまった俺。 精液の臭いが鼻を掠め、胸から熱いものがこみ上がった。 急な吐き気に見合せられ口を固く閉じ手で覆い我慢する一方、俺の存在に気が付いていない二人の行為は激しくなっていく。 早く閉めよう……じゃないと本気でヤバイ…。 扉に手を掛けるとふらついて、逆に押し開けてしまった。 俺はそのまま扉に寄りかかってへたりこんだ。 拓人「…ぐっ……うぅ…」 「おいおい」 自分の運の悪さを呪っていると、カーテンから上半身裸の保険医――西森歩夢が出てきた。 そいつは溜息をつき、髪を掻き上げる。 歩夢「お楽しみ中邪魔してんじゃねぇよ……俺を欲求不満で殺す気か?」 そのまま朽ち果ててください  
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5342人が本棚に入れています
本棚に追加