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歩夢Side――
榛原。
容姿美麗の会長に行きすぎた想いを寄せる者を纏める親衛隊長。
無表情、イラッとするゆるゆる口調。
表情と口調が全く噛み合わず、馬鹿にしてんのか?と誰もが思うだろう。
だけど…あんなに青ざめた顔初めて見た……
「せんせぇ?」
甘ったるい猫なで声で俺は我に返った。
振り返ると、さっきまで俺の下で喘いでいた男が乱れた制服を整えて、上目遣いで見つめていた。
「さっきのぉ誰だったんでぇすかぁ?」
歩夢「親衛隊…の1人…」
敢えて隊長とは言わない。
「親衛隊ぃ?ぼくぅ…親衛隊嫌いですぅ」
あぁ…俺だって大嫌いだ。
『生徒会に近付くヤツには制裁を』
歪んだ感情が引き起こす事件が幾多も行われている。
狂っている。
「生徒会の皆様がぁ相手にしてくれなぃから~
襲われにきたのかもぉ」
男はきゃっきゃっと笑う。
何なんだコイツ、気持ち悪い…
お前だって「抱いてください」って来ただろ
歩夢「帰れ」
発した声は自分でも驚くほど冷めていた。
「え?せんせ…」
歩夢「帰れっつてんだよ」
ビクッ
男は肩を揺らし、逃げるように出ていった。
無性に腹がたった。
何に?
分からない。
でも、苛々する。
消えろ
親衛隊は大嫌いだ
隊長も大嫌いだ
だから…
早く俺の頭から消えろ――
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