1人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
君は僕に夢中。
だから僕は君に何をしても許されると思っていた。
君は完全究極ナチュラリスト、エアコンが嫌いだった。
だが俺は言った。
『暑いんだからしょうがねぇだろ!』
君は完全究極規律者、君が眠たそうにしているときも
『寝たきゃ勝手に寝ろよ!』
電気を消してやることすらしなかった。
君は完全究極被害者、いけないことだと知りながらも、口には出せないようなひどいことをたくさん君にしてきた。
それでも君は何も言わなかった。
だがある時君は言った。
『最近なんか熱っぽいの。』
僕は確実に君を蝕んでいた。
君はすでに余命一年だった。
そして気付いた。
僕は君がいないとダメなんだ。君がいないと生きていけないんだと。
もうエアコンも使わないから。
ちゃんと電気も消すから。
君が嫌がることはもうしないから。
だから今までの君に戻ってくれ!
だがもう遅かった。
そしてそんな僕を見て君は言った。
『あんたなんか居なければ良かったのに。』
これが君の本心だった。
僕は愛されてなどいなかった。
いや、君は植物から動物まで全ての物を愛していた。
僕はその全ての物の内の一つにしか過ぎ無かったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!