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-古泉side-
長門さんを好きだと自覚してから数日。
…長門さんが可愛く見えて仕方ない。
「じゃあキョン、古泉くん、私たちは駅前のケーキ屋さんに行くからお留守番よろしくね。特別におみやげ買ってきてあげるわ」
そう言って部屋を出ようとする涼宮さんの後をトテトテと付いていく長門さんはとても可愛らしい。
「ハルヒ、ちょっと待て」
「なによ?」
突然彼が涼宮さんを引き止める。
「長門の代わりに俺が行く」
「なんでよ?」
「長門だって本の続きを読みたいだろうし、荷物持ちがいたほうがいいだろ?」
「でも、有希だってケーキ選びたいはずじゃない…」
「リクエストを聞いていけばいいだろ?それに、俺だってたまにはお前と買い物に行きたいし」
「─っ?!」
「なぁハルヒ、ダメか?」
「仕方ないわね、特別よ?特別…!///」
…というような会話が繰り広げられ、結果的に僕は長門さんと2人きりにさせられるようだ。
「長門、食べたいケーキはあるか?」
「苺のタルト」
「了解!じゃ、行ってくる」
…バタン
行っちゃいました…
「古泉一樹」
「は、はい…何でしょう長門さん」
「彼は何故涼宮ハルヒに付いていった?」
「…?涼宮さんと買い物がしたかったんじゃないでしょうか…」
「違う」
「え?違うって何がですか?」
「彼の言葉そのものは、涼宮ハルヒと買い物に行きたいという内容だった。だけど彼の喋り方、態度などの行動からして、涼宮ハルヒと行動をともにしたいと思っているようには見えなかった」
「…そうですか」
涼宮さんと買い物したかったわけじゃなかったんですね…
ということは…
「…騙されました」
「騙された?」
「いえ、なんでもないです…」
ともあれ、長門さんと2人きりとなると緊張してしまう…
「古泉一樹」
「はい」
「急激な体温の上昇が確認された」
「えっと、僕の体温…ですよね?」
「そう」
「あはは、何故でしょう」
「分からない」
「…長門さんと2人なんて、珍しいですよね」
「この間もあった」
「この間…?」
「1週間と2日程前」
「あ…」
「忘れてた?」
「…はい」
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